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張本勲氏、銅メダルの高梨沙羅に「今のままじゃルンビに勝てないよ」 《高梨沙羅、銅メダル、平昌五輪ジャンプ女子ノーマルヒル》

 野球評論家の張本勲氏(77)が18日放送のTBS系「サンデーモーニング」(日曜・前8時)に生出演し、平昌五輪ジャンプ女子ノーマルヒルで銅メダルを獲得した高梨沙羅(21)=クラレ=へさらなる奮起を促した。

 張本氏は高梨の銅メダルに「よかったね」と漏らしただけでアッパレはなし。さらに「しかし今のままじゃルンビには勝てないよ」と断じた。金メダルを獲得したマーレン・ルンビ(23)=ノルウェー=との身長差を指摘し「ルンビが171だから彼女は152ぐらいしかないからね。助走から差があるんですよ」とした上で「ですから踏切の時、飛び上がるときの練習をしてもらいたい」と指摘していた。

 この発言にゲスト出演した3大会連続五輪出場の元ショートトラック日本代表の勅使河原郁恵さん(39)は、アッパレをあげた上で「でもですね。ルンビ選手は身長が高いので、その分、板の長さも長くなるんですよ。風をとらえる面積が大きくなるので」と反論。司会の関口宏(74)が「じゃぁ体大きい方が得なの?」と聞くと勅使河原さんは「そうなんです。っていうところで高梨選手152センチとして頑張りましたよね」と絶賛した。この解説に関口は「じゃぁもうちょっと背伸ばさなきゃいけないんだ」と笑っていた。

『高梨沙羅、写真撮影で“主役”拒否「自分だけのメダルじゃない」』 ~ 皆さんの反応まとめ

 平昌五輪ジャンプ女子ノーマルヒルで銅メダルを獲得した高梨沙羅(21)=クラレ=が14日、羽田空港着の航空機で凱旋(がいせん)帰国した。チームメートの伊藤有希(土屋ホーム)、勢藤優花(北海道ハイテクAC)、岩渕香里(北野建設)と臨んだ会見では、自身だけが目立つような写真撮影を“拒否”する一幕もあった。

 カメラマンからは、メダルを持つ高梨を3人が後ろから指を差すという構図のリクエストがあった。しかし、高梨は「それは…」とやんわり断り、4人で肩を組むショットに変更された。

 その意図について高梨は「私だけのメダルじゃないし、みんなで獲ったメダルなので、私を囲んでみんなが指を差すのはおかしい」と自身だけが“主役”じゃないと強調。「みんなで獲ったんだぞと応援してくれる皆さんに見てもらうのが1番なので。カメラマンさんもこのポーズがベストだと思って要望していただいたが、申し訳ないが私はそれはできないので、失礼ながら断らせていただいた」と丁寧に説明した。

 12日の試合ではメダルを決めた後、ソチ五輪で共に悔しい思いを味わった伊藤と抱き合って喜んだ。高梨は「ソチ五輪が終わってから、有希さんに『またここ(五輪)に戻ってこよう』と声をかけていただき、ここまで来て納得いく2本を跳べた。日本チームとしてこの場に立たせていだたいてうれしかったし、ホッとして涙が出た」と振り返り、「目標にしていた金メダルには届かなかったが、日本チームにたくさん助けていただいてやっと獲れたメダルだった」と、あらためて仲間に感謝した。

高梨沙羅、やっと届いた日本女子初の銅「涙止まらない」【2014年ソチオリンピック、日本テレビ放送網】

◆平昌五輪第4日 ▽ジャンプ女子ノーマルヒル(12日、アルペンシア・ジャンプセンター)

 女子個人ノーマルヒル決勝(HS109メートル、K点98メートル)が行われ、昨季W杯個人総合女王の高梨沙羅(21)=クラレ=が103・5メートルを2本そろえて合計243・8点で、この種目では日本勢初となる銅メダルに輝いた。ジャンプ女子が初採用された14年ソチ五輪で4位に終わった悔しさを晴らした。伊藤有希(23)=土屋ホーム=は9位、岩渕香里(24)=北野建設=は12位、勢藤優花(20)=北海道ハイテクAC=は17位。マーレン・ルンビ(23)=ノルウェー=が264・6点で金メダルに輝いた。

 もう重荷は背負わなくていい。2回目を終えた沙羅は、無意識に胸の前で両手を合わせた。ホッとしていた。「いいジャンプができたと、瞬間的に分かった。自分を信じて、無心で飛べた」。ルンビとアルトハウスに次ぐ銅。願った色ではなかったが、日本勢女子初のメダル。「これでソチの悔しさをはね返せた」。観客席はたくさんの日の丸、そして「沙羅ちゃ~ん」の声。まるで日本のようだ。支えてもらうありがたみを感じ、涙腺は崩壊した。記憶に残る、うれし涙だ。

 昨春のハワイ合宿。TBS記者の兄・寛大(かんた)さん(25)の取材に「(平昌の)金メダル」を宣言した。「カメラや記者の前で金といったのは、そこが初めて。どんなに格好つけても取りたいんだから、金って言っても良いんじゃない?とは話していた」と寛大さんは明かす。今季W杯10戦未勝利。勝てなくても、2月12日をピークにすると定め、気持ちはぶれなかった。

 絶対的な優勝候補として臨んだソチはまさかの4位。表彰台を逃したジャンプを夢で見て、夜中にガバッと起きた。自分は大一番に弱いのか―。4歳から中学2年まで北海道・上川町のバレエ教室で指導した板谷敏枝さん(50)は「むしろ大舞台で緊張をしない方。小学生の時の発表会では、大人の男性と組んで演じる重要なキュービッド役を、たった2~3回の練習だけでこなしたこともあります」と証言する。W杯男女歴代最多53勝。力は示した。それでも、何かまだ足りない。

 沙羅の答えはこうだった。「自分と話し合う時間が、ソチの頃は足りなかった」。昨春から、1センチほどの厚さのメモ帳を持ち歩くようになった。良かった点、悪かった点、指導された内容を書き留め、行き詰まった時に見返す。メモは1月末で3冊。牧野講平トレーナー(38)は「書き出すことで整理して課題を見つけやすい。メンタル的にも落ち着くのでは」と推し量る。平昌入りした沙羅に、山田いずみコーチは「ソチの時より、今の顔が好きだよ」と言った。見た目からして、成長は明らかだった。乗るべくして表彰台に乗った。

 キャリアの先には、22年北京五輪、そして26年五輪は札幌開催の可能性がある。究極の目標は、男子と同じゲートから飛んで勝つこと。牧野トレーナーは「(実現すれば)力じゃない、と示すことになる。ジャンプの常識が覆るかな」と楽しげだ。「まだ自分は金メダルの器じゃないと分かった。新たな目標ができたので、北京で今度こそ金メダルをとりたい」。沙羅のとびきりの笑顔が、吹雪の夜空に輝いていた。(細野 友司)

高梨沙羅にイチャモンをつけたくなる、3つの理由【ボルシア・ドルトムント、リッキー・ファウラー】

 ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅への風当たりが何かと厳しい。平昌冬季五輪代表に選出されているが、本番を前にした最後の実戦のワールドカップ(W杯)第10戦(1月28日、スロベニアのリュブノ)で4位どまり。今季初優勝とジャンプの男女を通じて歴代単独最多の通算54勝目は持ち越しとなっただけでなく、これで昨年2月の平昌五輪プレ大会(昨季W杯第18戦)に勝ってから11戦も優勝から遠ざかるワースト記録を更新したまま五輪に臨まなければならなくなった。

 それでも彼女にかかる期待は大きい。昨季W杯では個人総合1位。1月14日に札幌で行われたW杯第6戦では今季自己最高の2位に入って4戦連続で表彰台に立った。これまでの実績を考えれば、2歳年上の伊藤有希とともに日本スキージャンプ女子代表として平昌五輪でのメダル奪取は是が非でも成し遂げてもらいたいところだ。

 いや、高梨に関して言えば当時金メダル候補と目されながら4位に沈んだ2014年のソチ冬季五輪の雪辱を果たす意味でも、やはり「金」しか眼中にないはず。実際に高梨本人もメディアへの取材にここまでの4年間について「金メダルを獲るために練習してきた」と言い切っている。

 しかしながら、そんな高梨に世間の多くの人がなぜか逆風を浴びせている。バッシングの材料となっているのが「メイク」と「ベンツ」、そして「悪態」だ。

●メイクとベンツに批判

 まずは「メイク」。弱冠15歳で日本女子として初となるW杯優勝を遂げてから高梨は素朴なすっぴん姿が好感を呼んで人気を集めていたが、16年を境に目元もバッチリと決めたメイクが施されるようになった。同年の8月から大手化粧品会社、資生堂の日焼け止め商品「アネッサ」とスポンサー契約を結んだことで必然的に日焼けがNGとなり、加えて同社のアドバイスによってメイクに対する興味も深まっていき自身の美意識が高まるようになったことがきっかけとささやかれている。

 美しい大人の女性へと変貌した高梨に世間は過敏な反応を見せた。これまで純朴な姿勢で競技に打ち込んでいたはずの北海道出身の少女が化粧にうつつを抜かすなんて何事か――。多少の差異はあれども、彼女のメイクにイチャモンをつける人は大方このような不満を持っているのであろう。

 続いては「ベンツ」だ。彼女の愛車は「メルセデス AMG G63」。約2000万円の高級車のオーナーとなっていることはメルセデス・ベンツ所有者向けの会員誌「メルセデス・ベンツ・マガジン」の2017年冬号で特集記事として掲載され、周知の事実となっている。ただこの時期がちょうどW杯優勝から遠ざかり、スランプと目されているタイミングであったことから「高級車を乗り回している場合か」などといった批判が殺到した。

 そして1月24日の平昌五輪日本選手団の結団式・壮行会において、金メダルに輝いた暁には「日本に住んでいるのに日本のことを知らないと思った。(日本一周旅行を)クルマで1人でできたら」と口にしたため、約2000万円のベンツが再びクローズアップされるハメになり、ネット上でも大炎上する騒ぎになった。高梨叩きの急先鋒ともいえる一部週刊誌の取材に対し、彼女の祖父も「(ベンツ所有は)まだ早い」と苦言を呈したことも拍車をかけた。

●悪態にも批判

 そして「悪態」――。一部メディアが報じたところによれば、高梨の取材対応は非協力的で所属事務所の意向もあって肖像権を気にするがあまり、報道カメラマンの写真撮影にも常に神経を尖らせているという。確かに取材現場では「鼻に付く対応も時折見られるから、できることならば高梨とはあまり接したくない」と露骨な拒否反応を示す声もチラホラと聞こえてくる。

 14年には高梨の実父が各メディアに北海道上川郡上川町の実家に集まるように呼びかけ、大ひんしゅくを買ったこともあった。誰もが高梨に関する重大発表があると思っていたのに、その場で明らかになったのは「実家が焼肉屋をオープンする」という信じられないような“オチ”。しかも集まったメディア各社に5000円を請求したことで、報道陣が怒りを爆発させた。

 こうした背景をあらためて並べてみると、彼女が注目を浴び始めた当初のイメージである「純朴なヒロイン」から昨今の「ヒール」に成り変わる要素は多分にあったと考えられる。ただし気の毒なのは、高梨が自ら望んで今の「嫌われ者」になっているわけではないという点だ。

 そもそも高梨に逆風が吹き始めた発端は、やはり前出の「焼肉屋オープン騒動」だったと思われる。一般人なのであまり責めたくはないが、実家のメディアに対する一時の“判断ミス”が実娘の沙羅へと波及してしまい「この親にしてこの子あり」といった印象が徐々に構築されていった。メディアを一旦敵に回すと勝手な悪口を書かれ、取り返しの付かない事態へと発展していくことは昔からよくあるケースだ。

 個人的には高梨のメイクも何ら悪いことはないと考えている。年頃の女性が美意識に目覚めることは至極当然。「アイラインが濃過ぎる」とか「すっぴんのほうがいい」などと注文を付けるのは人それぞれの好みの問題であって、本人にとってはまったくの余計なお世話だ。

 それからベンツについても祖父から「NO」を突きつけられているにせよ「別にいいんじゃないの」というのが率直な感想である。もし高梨がこれまで何の結果も功績も残していないのであれば「はあ?」と疑問符が投げかけられても仕方がないだろう。だが、彼女はジャンプの男女を通じて歴代単独最多の通算54勝にリーチをかけているほどの存在なのだ。

 どれだけがんばっても年間で賞金1000万円に満たない“薄給”のノルディックスキー・ジャンプ女子の世界で少女時代から奮闘し続けてきた。そして、こうした数々の実績が評価されているからこそ彼女はCM出演やスポンサー契約で収入を増やし、1社につき数千万単位と言われる相応の対価を得ている。だから本人が望むならばベンツを乗り回そうが、構いやしない。それこそ気分転換が図れ、競技へのモチベーションアップにつながると解釈したら彼女にとっては逆にプラス材料となるはずだ。

●今は「ヒール」でも

 最後に「悪態」にも触れておく。筆者は何度か高梨を取材する機会に恵まれているが、そこまで彼女に対する悪い印象はない。ただしここ最近、メディアとの「距離感」を覚えるのは事実だ。何人かのメディア関係者が不快な思いを抱いたという話は確かに聞く。

 とはいえ、高梨の側に立ってみると彼女にも言い分があるように思えてならない。一部メディアからバッシングを受けメイクやベンツで揚げ足を取られていけば、マスコミ不信に陥っていったとしても何ら不思議はないだろう。しかも彼女は人並み外れた強い精神力の持ち主だけに、逆に開き直って「ツン」とするかのように今のような我が道を行く姿勢をあえて前面に打ち出しているのではないだろうか。そういう気がする。

 高梨の名誉のために強調しておくが、彼女は平昌五輪に向けて陰ながらここまですさまじい猛練習を重ねてきた。今は「ヒール」でも金メダルを手中に収め、必ずや「ヒーロー」になってみせる。大人の女性になった21歳のジャンパーが、そう心に誓いながら4年越しの雪辱戦に臨む。

(臼北信行)

高梨沙羅にイチャモンをつけたくなる、3つの理由 「1月28日、W杯、ワールドカップ」

 ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅への風当たりが何かと厳しい。平昌冬季五輪代表に選出されているが、本番を前にした最後の実戦のワールドカップ(W杯)第10戦(1月28日、スロベニアのリュブノ)で4位どまり。今季初優勝とジャンプの男女を通じて歴代単独最多の通算54勝目は持ち越しとなっただけでなく、これで昨年2月の平昌五輪プレ大会(昨季W杯第18戦)に勝ってから11戦も優勝から遠ざかるワースト記録を更新したまま五輪に臨まなければならなくなった。

 それでも彼女にかかる期待は大きい。昨季W杯では個人総合1位。1月14日に札幌で行われたW杯第6戦では今季自己最高の2位に入って4戦連続で表彰台に立った。これまでの実績を考えれば、2歳年上の伊藤有希とともに日本スキージャンプ女子代表として平昌五輪でのメダル奪取は是が非でも成し遂げてもらいたいところだ。

 いや、高梨に関して言えば当時金メダル候補と目されながら4位に沈んだ2014年のソチ冬季五輪の雪辱を果たす意味でも、やはり「金」しか眼中にないはず。実際に高梨本人もメディアへの取材にここまでの4年間について「金メダルを獲るために練習してきた」と言い切っている。

 しかしながら、そんな高梨に世間の多くの人がなぜか逆風を浴びせている。バッシングの材料となっているのが「メイク」と「ベンツ」、そして「悪態」だ。

●メイクとベンツに批判

 まずは「メイク」。弱冠15歳で日本女子として初となるW杯優勝を遂げてから高梨は素朴なすっぴん姿が好感を呼んで人気を集めていたが、16年を境に目元もバッチリと決めたメイクが施されるようになった。同年の8月から大手化粧品会社、資生堂の日焼け止め商品「アネッサ」とスポンサー契約を結んだことで必然的に日焼けがNGとなり、加えて同社のアドバイスによってメイクに対する興味も深まっていき自身の美意識が高まるようになったことがきっかけとささやかれている。

 美しい大人の女性へと変貌した高梨に世間は過敏な反応を見せた。これまで純朴な姿勢で競技に打ち込んでいたはずの北海道出身の少女が化粧にうつつを抜かすなんて何事か――。多少の差異はあれども、彼女のメイクにイチャモンをつける人は大方このような不満を持っているのであろう。

 続いては「ベンツ」だ。彼女の愛車は「メルセデス AMG G63」。約2000万円の高級車のオーナーとなっていることはメルセデス・ベンツ所有者向けの会員誌「メルセデス・ベンツ・マガジン」の2017年冬号で特集記事として掲載され、周知の事実となっている。ただこの時期がちょうどW杯優勝から遠ざかり、スランプと目されているタイミングであったことから「高級車を乗り回している場合か」などといった批判が殺到した。

 そして1月24日の平昌五輪日本選手団の結団式・壮行会において、金メダルに輝いた暁には「日本に住んでいるのに日本のことを知らないと思った。(日本一周旅行を)クルマで1人でできたら」と口にしたため、約2000万円のベンツが再びクローズアップされるハメになり、ネット上でも大炎上する騒ぎになった。高梨叩きの急先鋒ともいえる一部週刊誌の取材に対し、彼女の祖父も「(ベンツ所有は)まだ早い」と苦言を呈したことも拍車をかけた。

●悪態にも批判

 そして「悪態」――。一部メディアが報じたところによれば、高梨の取材対応は非協力的で所属事務所の意向もあって肖像権を気にするがあまり、報道カメラマンの写真撮影にも常に神経を尖らせているという。確かに取材現場では「鼻に付く対応も時折見られるから、できることならば高梨とはあまり接したくない」と露骨な拒否反応を示す声もチラホラと聞こえてくる。

 14年には高梨の実父が各メディアに北海道上川郡上川町の実家に集まるように呼びかけ、大ひんしゅくを買ったこともあった。誰もが高梨に関する重大発表があると思っていたのに、その場で明らかになったのは「実家が焼肉屋をオープンする」という信じられないような“オチ”。しかも集まったメディア各社に5000円を請求したことで、報道陣が怒りを爆発させた。

 こうした背景をあらためて並べてみると、彼女が注目を浴び始めた当初のイメージである「純朴なヒロイン」から昨今の「ヒール」に成り変わる要素は多分にあったと考えられる。ただし気の毒なのは、高梨が自ら望んで今の「嫌われ者」になっているわけではないという点だ。

 そもそも高梨に逆風が吹き始めた発端は、やはり前出の「焼肉屋オープン騒動」だったと思われる。一般人なのであまり責めたくはないが、実家のメディアに対する一時の“判断ミス”が実娘の沙羅へと波及してしまい「この親にしてこの子あり」といった印象が徐々に構築されていった。メディアを一旦敵に回すと勝手な悪口を書かれ、取り返しの付かない事態へと発展していくことは昔からよくあるケースだ。

 個人的には高梨のメイクも何ら悪いことはないと考えている。年頃の女性が美意識に目覚めることは至極当然。「アイラインが濃過ぎる」とか「すっぴんのほうがいい」などと注文を付けるのは人それぞれの好みの問題であって、本人にとってはまったくの余計なお世話だ。

 それからベンツについても祖父から「NO」を突きつけられているにせよ「別にいいんじゃないの」というのが率直な感想である。もし高梨がこれまで何の結果も功績も残していないのであれば「はあ?」と疑問符が投げかけられても仕方がないだろう。だが、彼女はジャンプの男女を通じて歴代単独最多の通算54勝にリーチをかけているほどの存在なのだ。

 どれだけがんばっても年間で賞金1000万円に満たない“薄給”のノルディックスキー・ジャンプ女子の世界で少女時代から奮闘し続けてきた。そして、こうした数々の実績が評価されているからこそ彼女はCM出演やスポンサー契約で収入を増やし、1社につき数千万単位と言われる相応の対価を得ている。だから本人が望むならばベンツを乗り回そうが、構いやしない。それこそ気分転換が図れ、競技へのモチベーションアップにつながると解釈したら彼女にとっては逆にプラス材料となるはずだ。

●今は「ヒール」でも

 最後に「悪態」にも触れておく。筆者は何度か高梨を取材する機会に恵まれているが、そこまで彼女に対する悪い印象はない。ただしここ最近、メディアとの「距離感」を覚えるのは事実だ。何人かのメディア関係者が不快な思いを抱いたという話は確かに聞く。

 とはいえ、高梨の側に立ってみると彼女にも言い分があるように思えてならない。一部メディアからバッシングを受けメイクやベンツで揚げ足を取られていけば、マスコミ不信に陥っていったとしても何ら不思議はないだろう。しかも彼女は人並み外れた強い精神力の持ち主だけに、逆に開き直って「ツン」とするかのように今のような我が道を行く姿勢をあえて前面に打ち出しているのではないだろうか。そういう気がする。

 高梨の名誉のために強調しておくが、彼女は平昌五輪に向けて陰ながらここまですさまじい猛練習を重ねてきた。今は「ヒール」でも金メダルを手中に収め、必ずや「ヒーロー」になってみせる。大人の女性になった21歳のジャンパーが、そう心に誓いながら4年越しの雪辱戦に臨む。

(臼北信行)